不登校育児『できなかった日』の乗り越えかた

何もできなかった日、あなたにもありますか?

「今日も学校に行けなかった。」

「また怒ってしまった」

「何もできなかった」

そんな日が続くと、母としての自信を失いそうになります。

他の家庭は普通に学校へ行って、仕事も家事もこなしているのに――。

うちはどうしてこんなにうまくいかないんだろう?

HSCの特性を持ち、繊細で環境に敏感な娘は学校に長い間通えなくなっています。

私は「わかってあげたい」と思いながら、つい焦りや不安を娘にぶつけてしまうことがありました。

頭では待つことが大事とわかっていても周囲と比べてしまったり、親としての不安が積み重なって心の余裕を失うこともあります。

娘のことを理解しようと毎日自分に言い聞かせてたはずなのに…

それが『できなかった日』が何度もありました。

「今日はダメだったな…」と反省する日ばかり…。

だけど、本当にに『できなかった日』は悪い日なのでしょうか?

そんな日があるからこそ気づけることもあります。

今回は、不登校の子どもを育てる母親が感じる『できなかった日』をどう受け止め、乗り越えていけるのかをお話していきます。

『できなかった日』は、母と子の心を守る日だった

頑張れない日は、休むサイン

娘が不登校になってから、私は常に「何かしなきゃ」と思っていました。

学校との連絡、担任とのやりとり、家庭での学習の取り組み方…。

だけど、どれもできない日がありました。

娘が朝から泣いてしまう日、私の気持ちがついていかない日。

その当時の私は「怠けている」「現実から逃げている」と自分と娘を責めていました。

でも今なら言えます。

頑張れない日は、母と子が休むべきサインだと。

心が疲れ切ったまま動いても、うまくいかないことばかり。

その日の『できなかった』は、明日をつくるために『充電』しているんだと。

できなかった自分を責める必要はない

私は何度も自分を責めました。

もっと娘に寄り添えたはず…

あの時あんなに怒らなければ…

どうして優しくできなかったの…

夜になると涙が止まらない日もありました。

でもある日、ふと思ったんです。

あの時の私は、あれが精一杯だった。

娘のことで頭がいっぱいで、家事・仕事・きょうだいの習い事にも追われて笑顔を作る余裕なんてなかった。

それでも朝は起きて、ご飯を作り、娘の様子を見守っていた。

それって『何もしてない』日なんかじゃない。

ただ、外からは見えにくかっただけなんです。

『できなかった日』を受け入れることで見えた景色

ある日の『完全にダメだった日』

朝、私は目覚めからイライラしていました。

前の日に娘の生活リズムが崩れて深夜まで起きていたことで寝不足気味ではありました。

そんなときに限ってゴミ出しの途中、近所の方に「娘ちゃん元気?少しでも行けるようになった?」と聞かれ、うまく答えられなかったこともきっかけの一つでした。

ずっと心配してくれていた方で、悪気はないとわかっているのに、その言葉になんだか心がモヤモヤ…。

帰宅すると、娘はソファでスマホを見ながら笑っていました。

「笑えるくらい元気なら少しくらい動けるでしょ…」

「いつまでこうしているつもり!?ちょっとは頑張ってみようよ!」

心の声が溢れ出し、思わず口に出して言ってしまいました。

その言葉に娘の表情は曇り、泣きそうになりながら自分の部屋に…

子ども相手に何言ってんだろう…。

情けなさから泣きながら洗い物をする自分がいました。

しばらくしてから娘が「ママごめんなさい。」と目を伏せながらつぶやきました。

私も「ママも余裕なくてダメダメだった。嫌なこと言ってごめんね。」と素直に謝りました。

その日からまた、少しずつ会話が戻り笑顔で話せる時間が増えていきました。

『できなかった』ことが、次の『わかり合えた』に繋がることもあるんだと実感した瞬間でした。

ダメな日こそやり直せる関係が作れる

不登校の子どもに必要なのは”完璧な親”ではなく”失敗しても戻ってきてくれる親”です。

子どもも親も間違えたり、感情的になることはあります。

いつも冷静に優しくなんて無理です。

だから、怒ってしまっても泣いてしまっても、それを『なかったこと』にしないのが大事だと思っています。

だから私は今『失敗した日こそ、大事な日だった』と思えるようになりました。

そして何より親である私たちも、自分に『失敗しても大丈夫』と言ってあげましょう。

『できなかった日』をどう乗り越えるか

“今日の自分”に点数をつけない

「今日は何もできなかった」と思う日は、あえて評価をやめてみる。

完璧な日も、うまくいかない日も、どちらも私たちの人生の一部です。

「今日はここまでできた」ではなく「今日はここで止まったんだな」と受け止める。

それだけで、心の負担はぐっと軽くなります。

できなかった自分を慰める”小さな儀式”をもつ

私はよく娘が眠ったあと、コーヒーを飲みながら映画やドラマを観て「今日もおつかれ私!よくやった!」の時間を過ごしています。

たったそれだけでも『できなかった日』ではなく『自分を大事にした日』に変わります。

自分を慰めるための時間を意識的に取ることが、次の日の力にもなります。

“また明日も同じでいい”と思ってみる

不登校の子どもと過ごす日々は、進んだり戻ったりの繰り返し。

昨日できたことが今日はできない、なんてよくあることです。

でもそれは”成長していない”わけではありません。

心を回復させながら進むペースを見守る時間なのです。

「また明日も同じでいい」

そう思えた日から、心の中にあったモヤモヤが少しずつ消えていきました。

『今日はダメだった』そう言える親でいい

『できなかった日』は失敗じゃありません。

それは、母と子の心を守るために立ち止まった大切な一日。

あの頃の私は、何もできない自分を責めていたけど、今思えば娘のそばにいることこそ、いちばん大切な『していたこと』でした。

できなかった日を受け入れることで、母も子も救われる。

そんな日があるからこそ、少しずつ前を向けるようになります。

明日がもし『できなかった日』でも、自分を責めずに『今日はここまで』と呟いてみてください。

それだけで、私たちの心は確かに守られます。

今日イライラしてしまったあなたへ。

何もできなかったと落ち込むあなたへ。

どうか、私だけじゃないと知ってください。

そしてまた明日、子どもと一緒に少しでも前に進めたらそれで十分です。

あなたの『できなかった日』も大切な一歩になりますように。