「うちの子どうしてこんなに傷つきやすいの?」と悩んでいませんか?
子どもが些細な音や言葉に反応したり、他の子が怒られているだけで泣いてしまったり…。
「どうしてうちの子は、こんなに神経質なの?」
そう感じたことはありませんか?
学校に行くのを怖がったり、集団の中で疲れやすかったりする姿を見て
「このままで大丈夫なの?」
と不安になるお母さんも多いと思います。
でもそのことで、自分を責めないでください。
そして、あなたの子どもにも「変わらなきゃいけない」なんて思わせないでほしいです。

私もまったく同じように悩んでいました。
HSC(ひといちばい敏感な子)という言葉を知る前、娘の反応にうまく対応できず困っていました。
- 大きな音が苦手で耳を塞ぐ、怖くなりくっついて離れない
- 匂いも敏感で、場所はどこだろうと人がいようと鼻をつまむ
- 何気なくかけられた言葉に傷つき涙をこぼす
私には理解できない娘の行動に、悩み続けていました。
でも、HSCという特性を知っていくことで娘に対する見方が変わりました。
それは、娘と私にとっての救いの一歩でした。
「繊細すぎる」は弱さではなく”感じる力”だった
HSC(ひといちばい敏感な子)とは?
HSCとは、Highly Sensitive Child(ひといちばい敏感な子)の略で、心理学者エイレン・N・アーロン博士によって提唱されました。
音や光、人の感情、空気の変化など、他の子よりも深く・強く感じ取る特性を持っています。
これは病気や障害ではなく気質の一つで、全体の15〜20%の子どもがHSCに当てはまるとも言われています。
例えば、
- 教室で誰かが怒られていると、自分まで苦しくなる
- 新しい環境で緊張して体調を崩す
- 人の表情の変化にすぐ気づく
こうした特徴は、『神経質』や『わがまま』と誤解されることもありますが、『感じる世界が違う』だけなんです。
繊細さが”生きづらさ”になるとき
私には息子(兄)と娘(妹)がいます。
お兄ちゃんは少しやんちゃですが人当たりもよく、何をするにもすぐ行動に移せる子で、育てる中で困ったり悩んだりしたことがあまりない子でした。
なので娘も同じように、人並みにできる子になるものだろうと思っていました。
でもその思いが娘を追い詰めてしまっていました。
- 発表会など、大勢の前にたてない
- お友達の言葉を何日も気にしてしまう
- ちょっとしたことでも失敗が怖くて挑戦できない
こうした娘の反応に私は戸惑い、
「そんなに気にすることじゃない」
「他の子はみんなできてるよ?」
と、無意識に強くなってほしいという言葉をかけてしまっていました。
感じる力が強い分、刺激が多い環境では心が疲れやすくなります。
「頑張らなきゃ」「みんなと同じようにしなきゃ」と思うほど、自分を責めてしまうのもHSCの特徴です。
娘も”普通にできない”ことを本人が一番気にしていたんです。
今思えば、それは「あなたのままではダメ」と伝えていたのかもしれません。
それに気づいた時、本当に胸が痛みました。

そんな体験から母親の私がまず学んだのは、この子にはこの子なりの世界の受け取り方があるということ。
「繊細さ=欠点」ではなく「繊細さ=感受性の高さ」だと気づけました。
全く学校にも行けなかった娘が、週に1.2回の1時間だけですが自分のペースで登校できる日が増え、表情も落ち着いてきました。
大事なのは”変えさせる”ことではなく”理解し環境で支える”ことでした。
繊細さを守ることで育つ”安心感と自己肯定感”
環境が”安心”をつくる
HSCの子どもにとって『穏やかな環境』はエネルギーを取り戻す場所です。
騒がしい場所に長時間いると、頭の中が情報で一杯になって疲れ切ってしまいます。
家の中では、
- 声のトーンを落とす
- 急な予定変更は前もって伝える
- できたことを小さくても言葉にして伝える
といった工夫が、心の落ち着きを保つ助けになります。
子どもは親の表情や声のトーンから”安全かどうか”を判断します。
親が落ち着いて具体的に行動することで、子どもの感じる緊張が下がりやすくなります。
大事なのは『言葉の内容』よりも『伝え方と行動』です。
“できること”を一緒に見つける
『学校にいかない・人と話さない』ことに目を向けると、母親としては不安が増すばかり、、、。
でも「今日は一緒にお昼ご飯を楽しく食べられた」「お話をたくさん聞けた」など”できたこと”に目を向けると、親子の心が少しずつ前を向きます。
子どもが感じている”怖さ”を変えるのではなく、「あなたの感じ方は間違ってないよ」と伝えること。
それが繊細な子にとって何よりの安心材料になるはずです。

繊細な子との関わり方のヒント
無理に外へ出さない
「外に出さなきゃ」
「友達の関わりをもたせなきゃ」
と焦る気持ちは、子どもをもつ親なら誰にでもあります。
けれど、無理に人と関わらせることは、HSCの子にとって”安心の土台”を揺るがすことにもなります。
まずは、安心できる空間の中でエネルギーを充電する時間を大切にしましょう。
元気が戻れば、子どもは自分から外の世界へ一歩踏み出す日が来ます。
親自身の”心の余裕”を守る
繊細な子どもを育てていると、いつの間にか自分もその”繊細な空気”の中で息苦しくなっていることがあります。
私もそうでした。
娘の表情ひとつ、声のトーン一つに敏感に反応してしまって、
「今日は大丈夫かな」
「また、不安になってないかな」
気づけばいつも心が張り詰めていました。
でも、ある時ふと気づいたんです。
繊細な環境に影響を受けているのは、子どもだけじゃなく私も同じなんだと。
「なんでできないの?」
「どうしてそんなことで泣くの?」
と口にしてしまう瞬間があるのは、本当は私の心に余裕がないサインなんですよね。
子どもを理解しようと必死になればなるほど、自分の気持を置き去りにしてしまっていたんだと思います。
それからは意識して”自分を整える時間”を持つようにしました。
例えば
- コーヒーをゆっくり飲む
- 一人でゆっくりお散歩する
- 何もしない時間を許す
親が無理せず、自然体でいられること。
親が無理して笑うより、ちゃんと休んで心を整えるほうが、子どもにはずっと伝わります。
だから今は”理解”しようと頑張りすぎる前に”まずは自分の心を守ろう”と意識しています。

繊細さは、世界を優しく見る力
“繊細すぎる”と悩んでいたあの時、私たちは”強さの形”を一つしか知らなかったのかもしれません。
感じ取る力・気づく力・共感する力。
それはきっと、これからの社会にとってとても大切なことです。
ただ、その優しさや敏感さが幼い頃は生きづらさとして現れやすいだけではないでしょうか。

繊細さは弱さではなく『見えないものを大切にできる才能』。
その個性を焦らずゆっくりと伸ばしていきたいですね。
『この子は育てにくい』ではなく
『この子には、この子にあった育て方がある』と思ってあげてほしいです。
『繊細であること』を誇りに思える日がいつか来ます。
どうか、この投稿を読んでくださったあなたも「うちの子も大丈夫」と安心できますように。


