
「そんなつもりじゃなかったのに…」敏感な子どもに伝わる親のサイン
「たったひと言で子どもが落ち込んでしまった」
「怒ったつもりはなかったのに、泣かれてっしまった」
そんな経験はありますか?
私は何度もありました。
うまく伝えられなくて、ついきつい口調になったり、心配から出た言葉でかえって子どもを傷つけてしまったり。
でも、そのときは本当に『そんなつもりじゃなかった』んです。
HSCの子どもは表情、声のトーン、呼吸の深さ…そんな細かい変化を読み取り、言葉の裏にある気持ちまでも想像し深く受け止めてしまいます。
娘の特性に気づかずにいた頃、私は知らず知らずのうちに娘の心に負担をかけていました。
そして『言葉にしなかったはずの気持ち』が伝わってしっていたことに、何度も気付かされました。
HSCの子は、言葉以上に『気持ち』を読み取っている
HSCの子どもたちは、親のちょっとした言葉・声のトーン・表情にとても敏感です。
自分に向けられたものでなくても反応してしまいます。
特に身近で一番信頼している存在である親の言動は、良くも悪くも子どもに大きな影響を与えます。
- ふとしたため息
- 無意識にイライラした口調になる
- 他の兄弟姉妹への言葉と自分への対応の違い
- 「頑張ればできるよね?」と励ましたつもりの言葉をかける
- 無意識に比べるような一言
こうした『ちょっとした』ことがHSCの子には

私なんかしたかな?
だめな子なの…?
と受け取ってしまうことがあります。
言葉だけではなく、親の『感情』や『気配』そのものが伝わってしまう。
私たち大人が何気なくしていることが、大きなストレスになることがあります。
HSCの子どもが感じ取る『気持ちの波』はとても大きい

なぜ、ここまで些細なことにストレスを感じるのか?
HSCの子どもたちは、生まれつき『感覚のアンテナ』が鋭い子どもたちです。
ちょっとした音、光、人の声色、場の空気感、五感と心の感受性がとても発達しています。
そして親という存在は子どもにとって『心の拠り所』でありながら『最も影響を受けやすい相手』でもあります。
だからこそ、親が発するちょっとした不満や否定のサインも

嫌われたのかな?
私って役に立たない子なんだ
と、深く考え込んでしまいます。
怒られていなくても、心のなかでぐるぐる考え傷ついてしまう。
これは『メンタルが弱い』わけでも『育て方のせい』でもありません。
その子の持つ気質として感じやすく、思いやりが強く、相手の気持ちをくみ取る力があるHSCの子どもの特性です。
知らず知らずのうちに、娘の心を疲れさせていた日々
ある日、娘がプリント学習に取り組んでいるとき

あと20分したらご飯にしようね!
と声をかけました。
それから20分後、まだ終わっていなかったので

まだ終わってないのー?
はやくしてー!
と言ってしまいました。
娘は鉛筆を置いて、こちらを向かずにこう言いました。

ご飯の時間までに終わらせようと思ってた…
がんばったけど終わらなかっただけだもん…
正直、そんなに落ち込まれるとは思いませんでした。
そして、書き終わったプリントの端には「ママごめんなさい」の小さな文字…。
焦らせたつもりはなかったけど、「はやくして」という言葉が娘の『頑張り』を否定するものになっていました。
娘は頑張りたくないわけじゃなく、すでに頑張っていた…
でも私は、その頑張りに気づかずに追い打ちをかけてしまいました。
他にもある!HSCの子がストレスを感じやすい親の言動

HSCの子がストレスを感じやすい親の言動は他にもあります。
無意識の先回りや決めつけ
- 「今日も〇〇しないんでしょ?」
- 「〇〇嫌いだもんね」
気づかいのつもりでも「どうせできないでしょ」と感じさせてしまうことも。
親の表情・態度ににじむ疲れや苛立ち
- ため息
- スマホを見ながらの返事
言葉が優しくても「ママ機嫌悪いのかな」と感じて自分を責めることもあります。
感情を否定する言葉
- 「そんなことで泣かないの」
小さな出来事でも本気で悩んでいるHSCの子には「気持ちをわかってもらえなかった」と感じさせてしまいます。
比較や評価のつもりがプレッシャーに
- 「〇〇ちゃんはもう終わってたよ」
褒めているつもりでもHSCの子には「自分は劣ってる」と深く響いてしまうこともあります。
急な予定変更
- 「やっぱり今日行けなくなった」
予定の変更は、不安や混乱を引き起こしやすいHSCの子には大きなストレスです。
完璧な対応より、気づいて向き合おうとすることが何よりの安心に
私たち親も、毎日いっぱいいっぱいの中で頑張っています。
つい言葉がきつくなってしまったり、態度に疲れが出ることだってあります。
でも大切なのは『完璧でいること』ではなく『あのとき、こう感じたかも』と気づくこと、『次はこうしてみよう』と思えることです。
だからこそ、声かけをするときは伝える言葉を意識するようにしています。
- 「嫌だなって思ったんだね。教えてくれてありがとう」
- 「お勉強も、ちょっとしんどいときあるよね」
- 「頑張ってるね。ちゃんと見てるよ」
こうした声かけで娘の表情がくもることが減っていきました。
大切だったのは、正しい言葉を探すよりも『味方でいる』という姿勢でした。
HSCの敏感さは優しさの種。親の理解が子どもの強さになる

HSCの子どもたちはとても繊細で、でも同時にとても優しく人の気持ちに寄り添える心を持っています。
その力を守り、育てるには
「あなたの感じていることは間違ってないよ」
「ちゃんとわかろうとしているよ」
という親のメッセージが必要です。
私は今でもたくさん失敗します。
そのたびに「ごめんね」と素直に謝り、やり直す事を繰り返しています。
「あのときはこう言ってしまったな」と振り返れること、「次は少しだけ言い方を変えてみよう」と思えることが子どもにとっての何よりのサポートになります。
今日からほんの少し『伝え方』や『関わり方』に優しい視線を向けてみてください。
『今日からできる、小さな一歩』を見つけていきましょう。