
不登校を『特別』だと思っていたあの頃
「どうして、うちの子だけ学校に行けないんだろう?」
そう思った日の夜、私は自分を責めていました。
朝になると布団から出てこない娘。
声をかけても無反応。
無理に起こそうとすると声を荒げながら泣く。
最初は甘えてるんじゃないかと思ったこともありました。
でも、泣きながら

お友達に会いたいけど、行けないんだもん!
そう訴える娘の言葉に、私は何も言い返せませんでした。
私ははじめ、不登校という言葉に偏見を持っていました。

行けない理由があるなら解決すればまた通えるようになる。
私が頑張ればなんとかなるんじゃないか?
そう信じていたんです。
でも現実はそんなに単純じゃなかった…。
不登校は子どもの問題だけではなく、親の考え方にも大きく関わっている。
私はそれを娘との日々の中で痛いほど感じました。
この記事では「不登校の子どもと親の向き合い方」について私自身が経験したこと、そこから学んだことについてお伝えしていきます。
正解は一つじゃない。大事なのは”その子らしさ”を軸にすること
不登校の原因や背景は、子どもによって全く異なります。
だからこそ、対応の『正解』も一つではありません。
大事なのはその子らしさを理解し尊重しながら、親子に合ったペースや方法を見つけること。
一般論や他の家庭と比べるのではなく『うちの子には何が必要か』を見極めることが、一番大切だと感じています。
不登校の背景は複雑で、子どもの『心の声』は一つじゃない
不登校の理由は
- いじめ
- 勉強についていけない
- 先生との相性
- 家庭環境
など、様々だとよく言われていますが実際はもっと複雑なものもあります。

たとえば、うちの娘の場合、他の人からは見てもわかりにくい感覚の過敏さが大きく影響していました。
- 物音や大きな声に敏感で、教室のざわつきが耐えられない。
- 人の視線や感情に過剰に反応してしまい疲れてしまう。
こうしたHSC(とても敏感な子ども)と呼ばれる特性を持っていたことが、不登校の背景にありました。
でもこれは見た目ではわかりにくく、本人も「なぜつらいのか」を言語化出来ないことが多いです。
親もまた、

何が原因かわからない…
何が正解かわからない…
と不安を抱え、焦りや孤独に飲み込まれていってしまいます。
そうゆうときに必要なのは『正しい答え』ではなく、『一緒に考えてくれる誰かの存在』や『少しでも理解しようとする姿勢』だと思います。
私たち親子がたどった『遠回りだけど意味のある道』
娘が学校にいけなくなったのは、小学2年生の夏からでした。
最初は

どうして?
何があったのだろう?
と、理由を探し続けていました。
でも本人は言葉にできずにうつむいたまま…。
そこで私は無理に娘から行けない理由を言わせるのをやめました。
代わりに家の中で、娘が安心できる居場所を作ることを優先しました。
そして

大丈夫だよ。
ゆっくり休んでからまた考えようね。
と、まいにち声をかけ続けました。
それでも私の中にある不安はずっと消えずにありました。
学校の先生、スクールカウンセラー、医療機関など相談にも行きましたが、一様なアドバイスに「本当にこれでいいのか?」と疑問が募る日々。
不安はあるが何もわからない…
他の人のアドバイスにも素直に頷けない…
私自身、まずは知識をつけようと決めました。
子どもの心理状況が知りたいと思い、たくさんの本を読んでみたり、
子どもの発達特性や関わり方を知るため、資格も取得しました。
自己肯定感を守る関わり方や子どもを否定しない聞き方など娘と過ごすうえで必要なことを知り、試していくことで親としての見方も大きく変わりました。
『学校に行くかどうか』ではなく『どう生きていくか』に目を向けれるようになったことで、わたし自身も少しずつ心が軽くなっていきました。

娘は今、月に1.2回ほど通級指導教室1時間のみの登校を精一杯の勇気を出して行っています。
そして家ではオンライン学習、学校のプリントやドリル、ペットのお世話や趣味の時間に没頭など…

わたし学校には行けないけど、
それ以外ダメなとこないと思う!
と自信満々に言えるよようになり、笑える日が増えています。
親が『今ここにいる子ども』に目を向けたとき道はひらける
不登校の子どもとの生活では

将来どうなるの?
このままでいいの?
と不安で押しつぶされそうになりますよね。
わたしは、そんなお母さんたちに声を大にして伝えたいことがあります。
今の子どもをちゃんと見てほしいと…。
行けていないことにばかり目を向けると、子どもの今を見落としがちです。

今日はやく起きれた!
ご飯完食出来た!
時間割りだけ見てみよう…
これらは立派な一歩です。
この見落としがちな一歩一歩を見つけること、認めることで子どもは『自分は大丈夫なんだ』と感じられるようになります。
安心感こそが、子どもの未来につながる力になれると信じています。
正解より”わが子の今”を信じることから始める
不登校は親にとっても子どもにとっても、決して楽な経験ではありません。
でもそこには『学び』や『つながり』の種が隠されています。

- 正解は一つじゃない
- その子にあったペースでいい
- 親が変わることで子どもの表情が変わる
- 学ぶことは、心の支えにもなる
私たち親は、愛する我が子の将来への心配から「正しく育てなきゃ」とプレッシャーを感じていますが、子どもにとっての親の正解は『肯定してくれる人』だと私は思っています。
不登校は失敗ではありません。
『新たな道を見つけるチャンス』です。
私の経験が、同じ悩みを抱える誰かの安心につながりますように…。